テレビの司会などで活躍した元タレントの上岡龍太郎(かみおか・りゅうたろう、本名・小林龍太郎=こばやし・りゅうたろう)さんが5月19日、肺がんと間質性肺炎で亡くなった。
米朝事務所が2日発表した。81歳だった。
告別式は親族で済ませた。
京都府出身。
高校在学中からロカビリーバンドに興味を持ち、ジャズ喫茶の司会などを経て、1960年、横山ノックさんらと「漫画トリオ」を結成、「横山パンチ」の芸名でデビューした。
鋭いツッコミで手腕を発揮し、音曲を取り入れたトリオ漫才が主流だった時代に、新たな笑いのスタイルを定着させた。
ノックさんの政界転身に伴う68年のトリオ解散後、「上岡龍太郎」に改名。
流暢りゅうちょう な語り口に加え、時に毒のあるトークが人気を呼んだ。「ノックは無用!」(関西テレビ)や「鶴瓶・上岡パペポTV」(読売テレビ)、初代局長として司会を務めた「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)など、多くの高視聴率番組に出演した。
漫談家としても活動。
講談を習うなど研究熱心で、“上岡流講談”ともいえる独自の話芸を確立した。
独演会を開催したり、主宰劇団を設立したりと、舞台にも意欲的に取り組んだ。
タレントとして不動の地位を築いたが、人気絶頂の2000年に芸能界を引退。
その理由について、入れ歯で滑舌が悪くなった役者をテレビで見た時、「うちのやつ(妻)に『ぼくにこんな時が来たら言うてや』と言うと、『今』と言われた」などと語っていた。
引退後は演芸や演劇鑑賞、知人の葬儀などに姿を見せることはあったが、芸能界に復帰することはなかった。
弟子にタレントのぜんじろうさんら。
長男は、映画監督の小林聖太郎さん。