トリドールホールディングス(東京都渋谷区)が運営する讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」のイオンモール高松店(香川県高松市)が2022年2月27日に閉店する。
これを受け、香川県内の丸亀製麺は残り1店舗となる。
実は「うどん大国」香川発祥ではない丸亀製麺。
本場での苦戦に、ネット上では「流石香川県」「地元のうどん屋が強すぎる」などの声が聞かれている。
丸亀製麺は2000年11月に兵庫県加古川市に1号店を出店。
「店内製麺」を強みに、00年代の讃岐うどんブームに乗って店舗を拡大。
11年5月には47都道府県出店を達成した。
21年12月末時点で、全国835店舗を展開している。
11年7月には讃岐うどんの本場「丸亀」の名前を全国に広めたとして、トリドールの創業者でもある粟田貴也社長が香川県丸亀市の文化観光大使に選ばれた。
「丸亀製麺」の名は、粟田氏の父親が香川県出身だったことにちなむものだ。
しかし、香川発祥ではない丸亀製麺に、地元からは複雑な思いも聞かれている。
19年には讃岐うどんの魅力を発信する団体「麺通団」の団長・田尾和俊氏が、ブログで「丸亀製麺は讃岐うどんへのリスペクトが感じられない」などと投稿。
ネット上で賛否を呼んだ。
そんな香川県内でも、丸亀製麺は複数店舗を出店してきた。
栗林公園店、イオンモール高松店、高松レインボー通り店の3店舗で、場所はいずれも高松市内だ。
しかし、県内1号店の栗林公園店は15年1月に閉店。
これを地元紙・四国新聞が「『本場 厳しかった?』 丸亀製麺、県内1号店閉店へ 地元店の反応」(15年1月10日朝刊)と報じ、ネット上で話題を呼んだ。
そして、イオンモール高松店は22年2月27日に閉店することが決定。
県内に残るのは、高松市郊外にある高松レインボー通り店のみとなった。
これにツイッター上では「マジかぁ…」「流石香川県」「地元のうどん屋が強すぎる」などの反応が。
県民とみられるユーザーの中には、丸亀製麺のうどんの味は評価しつつも、地元のうどん店と比べ価格が高いと指摘する人もいた。
香川県での今後の店舗展開について、1月25日、トリドールの広報担当者に取材すると「誠に勝手ながら、出退店に関わる回答は差し控えさせていただきます」とのことだった。
なお、丸亀製麺と同じ全国的な讃岐うどんチェーンで、00年に高松市で創業した「はなまるうどん」は、22年2月20日現在も香川県内で14店舗を展開している。