ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川前社長による未成年所属タレントへの性加害問題。
同事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)は8月29日、調査結果の報告を行い、性加害はあったと事実認定し、藤島ジュリー景子社長の辞任などの提言を行った。

 

ジャニーズ事務所はこの提言を受けて9月7日に記者会見を開く予定。
ジュリー社長の退任と新体制が発表されるとみられており、新社長が誰になるのかと注目を集めている。

 

一部では、ジャニーズ事務所の顧問を務めてもいる、ソニーグループのシニアアドバイザー・T氏を有力候補のひとりと報じ、同氏を直撃していたが、「(社長就任は)ないです」とはっきりと否定されていた。

 

「SME(ソニー・ミュージック・エンタテインメント)が保有していた乃木坂のビルを2018年にジャニーズ事務所に売却した事実や、“ソニーからはかなりの数の社員が出向している”として、ジャニーズ事務所の建て直しにソニーが関わるとの見立てだったが、嵐やなにわ男子、KinKi Kidsなどジャニーズの自社レーベルの流通・マーケティングまわりを担っているのがSMEの子会社であり、“出向”というのも基本的にその部分。
ビジネス上は密接な関係にあるため、ソニー側としては助け舟を出す部分もあるだろうが、T氏はSMEの執行役員から離れたとはいえ、さすがに新社長になることはないだろう」(レコード会社関係者)

 

T氏は新社長について「やはりジャニーズのDNAを持った人がやらないと」と言及していたが、「文春オンライン」(文藝春秋)は4日、所属タレントの東山紀之が新社長に就任予定と報じた。

 

「記事によれば、外部の人間にも打診したもののことごとく断られてしまい、最終的に“ジャニーズの長男”である東山が引き受けることになったとか。
東山は7日の記者会見にも同席するとのことです」(芸能記者)

 

この「新社長・東山紀之」報道は大きな反響を呼んでいるが、概ね「それでは何も変わらないのでは」という意見が大勢を占めているようだ。

 

「東山に経営の知識があるはずもなく、100%株主であるジュリー氏が“院政”を敷くことになるとみられ、まさに形ばかりの体制変更となりそう。
『文春』の続報では、あくまで社長の肩書だけ外し、ジュリー氏は代表取締役として残留するとか。
仮にジュリー氏が株を手放すとしても、影響力を持てるだけの数は保持し、これまで事務所を支えてきた副社長や、東山、関連会社の社長を務める井ノ原快彦といった“ジュリー派”で残りを分け合うといったところでしょう。

 

しかし、本当に東山を新社長に据えるのだとしたら、さすがはメリー喜多川氏の娘という感じですね。
メリー氏といえば、SMAP解散騒動のきっかけとなった“マネージャー公開説教”事件で『うちのトップはマッチです。SMAPじゃありません』と断言し、さらに呼び出したSMAPマネージャーに対しても『うちのトップは誰!?』と詰問して、『近藤真彦です』と言わせていた。
メリー氏にとっての“トップ”とは、“事務所の長男”のことだったのでしょう。
メリー氏とは不仲の時期もあったというジュリー氏ですが、結局のところ彼女も“事務所の長男”という年功序列を重要視する人だったようですね」(同)

 

「東山新社長では何も変わらない」という懸念が広がるなか、別の視点から見てもこの人事は紛糾すること必至だという。

 

「元ジャニーズJr.のメンバーらで結成された『ジャニーズ性加害問題当事者の会』が黙ってないはずです。
というのも、会長の平本淳也氏は以前から、東山に対して何か思うところがあるのではと思われるフシがあるんです。

 

平本氏がかつて裁判沙汰になった“ジャニーズおっかけ本”などに関わり、その後も“元ジャニーズ”としてメディアに露出したりイベントをしたりしていた人物であることは知られたところですが、SMAP解散騒動を機に始まった6年前のウェブメディアでの連載では、妙に東山に攻撃的だった。
この連載では、ジャニーズの入り方を指南したり、元ジャニーズには“選ばれた者”としての自負があるとして『ジャニーズのおかけで僕も随分と世話になりっぱなしであり、本当に「ジャニーズで良かった」と思える人生だ』などと振り返るなど、基本的に事務所や所属タレントに対してそこまで厳しいことは言わないスタンスでしたが、東山の話となると、『少年隊は今でもジャニーズのナンバー2で、ジャニー&メリー共通の寵愛を受けている。
いや、正確には寵愛を受けているのは東山だけ』とし、東山が『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)のメインキャスターに就任したことについて
『こうした不思議な大仕事を回されるのも東山ならでは』
『彼は最高のエンターテイナーではあるにしろ、教養がないし政治や経済にも興味がなく、またそれ以前に世間を見てないから「感覚」がズレているのは昔から』
『無表情で全く面白くないのがヒガシ』
『根本的に人気がないので、ジャニーズからのゴリ押しと言われても致し方がない』
など、妙に手厳しかったのが印象的でした。

 

今年になって性加害問題がクローズアップされ、ジャニーズ事務所の責任を問うスタンスに変わると、『日刊ゲンダイ』のインタビューで
『(東山は)ジャニーさんの側近中の側近のひとり。
常にその意向に沿って「邪魔」を排除し、副社長だったメリー喜多川さんには従順な召し使いでありつづけた。
どちらかというと加害者側なのは関係者なら誰もが知っていること。
性加害など知らないという厚顔ぶりには呆れてしまいます』
と、東山にも責任があるとして糾弾していた。
それだけに、東山が新社長となれば、今度は当事者の会が一斉に『新社長も加害者側だ』と“ヒガシの責任”を追及していく可能性がある」(同)

 

東山については、6月22日発売の「週刊文春」(文藝春秋)ではデビュー前の男闘呼組のメンバーだった元ジャニーズJr.の土田一徳さんがジャニー氏による性加害行為を告発した際、
「ジュリーさんは知らないって言っているけど、いや、ヒガシ君、あなたは知ってるでしょうって言いたい」
「年長者だとしたら、ちゃんと認めて欲しい。ヒガシ君は一緒に住んでいたわけだから。彼は知っているんですよ、見ているんだもの」
と話していたことも記憶に新しい。

 

また、元俳優で格闘家の高岡蒼佑がSNSで、「元ジャニーズのバックダンサー」を名乗る人物からの「よく東山さんに飲みに連れて行ってもらいました。いつも冗談で『お前もジャニーさんにやられてこい』って言ってたので、朝の情報番組で東山さんが神妙に話してるの見て、やっぱ芸能人やな~って感心してしまいました」というDMを紹介していたこともあった。

 

7日の記者会見に東山が同席するのであれば、新社長になる・ならないにかかわらず、こうした“疑惑”について自らの口で説明してほしいものだ。