非売品のはずの自衛隊グッズがなぜネットオークションで売られているのか!?


オークションで、自衛隊グッズをググっているとプレミアム商品として一般に流通している商品に交じって、「官品」とか「教本」とか「資料」といった「秘密」扱いのものが出されていることがあります。

「官品」というのは国が自衛隊員に支給(貸与)する制服やベルト帽子などの装備品一式。
隊員以外の人が紛れ込んでいてもその装備品の内容が少し違う違和感で見つけやすくする効果があります。
軍隊が制服を着るのはハーグ陸戦条約や国際人道法で戦闘員と非戦闘員を区別するなどの目的とされています。
簡単にコピーされては困りますから、自衛隊の制服(官品)は自衛隊員以外の人は買えない非売品となっています。

しかし、インターネットのオークションではその官品の制服や自衛隊の中の教科書―教範なども大量に売られています。
冊子の一部が黒く塗りつぶされていたりしますが、部外秘などのスタンプがあったのかもしれません。
説明書きをみると古本屋で売られていたものを買ってきたなどの記述がありますが、入手経路がなんであれ自衛隊にとっては外部の人間に渡っては困るものです。

近年では自衛隊の教範などの大半は一冊一冊管理され、登録を義務付けられていますが、昔の規則のゆるい時代のものはまだまだでてきます。
詳細に内容が書かれていないと聞きますが、秘密は秘密です。公然と売られているのは気持ち悪いものですよね。

また、これはさすがにマズイというものが出ます。

たとえば、【陸上自衛隊89mmロケット砲 M20実物ジャンク】など、「いったいどこからどういう経路でオークションにでてきたのか?」と首をかしげるものが出てくることがあります。
模造弾などもたくさん出品されています。

こういう武器や模擬弾などが出品されるということは、自衛隊のどこかにこういったものを調達できる場所があるのではと想像できます。

武器類がジャンクとはいえ外にでてくるのはなぜでしょうか? 
自衛隊は広大な演習場をもっていますし、フェンスで囲っていてもそれを超えて山菜などをとる人たちがいると聞きます。
その人達を処罰したりする権限はありません。
演習場のフェンスを人が超えられない強固なものにする予算もありません。
監視カメラなどを設けて24時間監視するにも予算とそれなりの人員が必要です。
そんな余分な予算は自衛隊にはありません。

自衛官以外の人が模擬弾や壊れたロケット砲を廃棄しているなかから持ち出したとしてもそれを捜査する権限は自衛隊にありません。
内部の人間しか事情聴取する権限がないのです。
自衛隊の権限と人員数では仕方ないのです。

特定秘密情報保護法に抵触するものがでれば、違法行為ですから、警察に通報すれば捜査してもらえます。
しかし、特定秘密情報保護法が秘密としているものは秘密のなかでもごくごくわずかな高度な秘密にあたるものです。

具体的にいえば自衛隊の行動内容や防衛に関しての航空写真や作戦の暗号、潜水艦や戦車・誘導弾の性能に関するものです。
壊れたロケット砲は程度では銃刀法違反に当たるかどうか微妙なところです。

ただ、自衛隊としてはこのような自衛隊の廃物が出品された経緯を知り、二度とこういう問題が起こらないように対処したいわけです。
自衛隊の基地内、現役自衛隊員がかかわっているなら、自衛隊の警務隊は事情聴取することができますが、それ以外だと無理です。

中古の装備がどこから流出することは国防上の大きな問題です。

情報の横流しにしてもそうです。
教範などの軽微なものを見逃せばより重要な情報の横流しの犯罪になりかねない。
他国の軍は調査権限を持つ諜報組織をかかえています。
軍も安全保障に関しての危険情報を捜査し、軍の機密漏えい防止対策ができますが、自衛隊にはそういった機能はほとんどありません。
あるにはあるのですが、予算がなく活動してないも同然の状態なのです。

自衛隊には情報保全隊とよばれる陸海空統合され防衛大臣直轄の情報を扱う部署があるようです。
しかしオークションで出てきてはまずいものが頻繁にでてくるところから、機密漏えい対策ができているとは思えません。

オークションの教範流出や横流し品などは氷山の一角です。
オークションはサイトにお願いして掲載をやめて欲しいとお願いすることができますが、いつも掲載を取り下げてくれるわけではありません。
オークションから排除されなかったものを一般人の手に置いておきたくない場合、競り合って買い取ってしまうという方法も考えられますが、そんな予算は用意されていません。指をくわえてみているしかないのです。

情報収集はお金がかかるものです。
足で情報を集めるとしてもその人員、交通費、通信費などのコストはかかります。
湾岸戦争のときにヘリから大量にドルのはいった袋をもった兵士が下りてきて、多くの情報を買いあさったという噂があります。
お金を使って情報を集める外国と、お金を使わず情報を守ろうとする日本国。
前の大戦で日本国は情報戦に敗れたといわれていますが、70年たっても今もその認識は変わってないようです。

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